SSブログ

読書感想『壬生義士伝』 [読書・漫画・テレビなど]

ヅカ界隈では、花組と星組の話題で持ち切りかと思います。
私は観に行く予定はありませんが。

花組、星組ともトップスター退団公演なので、退団する方のファンでもない私が万が一チケットを取ってしまうと、どこかのガチファンが泣いてしまうのでは・・・と思い、花組&星組のチケット取りには参戦しませんでした。

なので、この秋はのんびり読書です。
そんな読書の秋、小説『壬生義士伝』を読みました。その感想です。

原作読んでも、結局は泣いてしまいました。吉村貫一郎の人生が切ないよ~~~。
家族を養うために、二度と会えないのを覚悟で出稼ぎにだなんて。
この時代、一番の難題は飢饉だよね。この時代、作物の不作だけはなんともならなかったのか・・・。
いや、今の時代でもお天道様には敵わないか・・・。
もう少しだけ、南部藩に食料があれば、貫一郎の人生は違っていたのに・・・と思わざるえませんでした。

南部に残ったしづや子供たちも切ない。兄の嘉一郎は武士として戦場に向かってしまったけど、正直、そんなことせずに生きていて欲しかった・・・。妹のみよや弟の貫一郎は幸せになったようでよかったけどさ~~。
貫一郎といえば、生まれた子に、父と同じ「貫一郎」という名をつけた、しづ。生きて会えないことを覚悟の上での命名。泣けるぜ・・・。

小説の最後の方でその貫一郎が登場するのですが、父のことなど何も知らず、飢饉の中自分たちがなぜ生き残れたのかも気付かず、のほほ~んと幸せな感じで生きているのに慰められるというか・・・。列車に同席した記者(=小説の読み手)が「お前の父はなぁ・・・」と言えなかった気持ちが想像できます。

あと、雪組公演を見て、「斎藤一さん、おしゃべりだな~~」と思ったのですが、原作は当時の関係者が吉村のことを語るスタイルになっているからなのですね。斎藤一が吉村貫一郎のことをベラベラ喋ってくれないと、小説のストーリーが成り立たないからね~~。ナゾが解けました。

ナゾといえば、結局、大野次郎衛が打刀の大和守安定をなぜ渡したのか、そこがどうしてもナゾというか、腑に落ちませんでした。

打刀だと長すぎて切腹できない・・・。
ストーリー的に、吉村嘉一郎に持たせてかっこつけたかったから、大和守安定を渡す設定にしたのかしら。
もしくは、大野次郎衛は、端から切腹してもらう気はなかったとか。
南部藩の対面上、貫一郎の手当のために医者を呼べば「だれかを匿っている」ということがバレて立場が悪くなるだろうから、暗に「これを持って生き延びてくれ」という意味だったのかしら・・?

あからさまに親身な態度をとると家人にバレるから、「切腹しろ」とかツンツンしてたのかしら??
おにぎりは握るのにね。その気持ち、貫一郎には伝わっていないよ~~。ちゃんと言葉にしないと~~~。
大野次郎衛の心情を、私には読めませんでした。


ともかく、原作の小説を読んでも、結局ないてしまいました。
吉村貫一郎のイメージは、私の頭の中ではのぞ様(望海風斗さん)になっちゃっていますしね。

それにしても・・・。新選組だとどうしてもハッピーエンドにならない。
娘役の使いどころがなくて、鹿鳴館のシーンのように、無理に不自然な場面を加えることになっちゃってますしね。
宝塚で新選組ネタは、たま~に、という程度にした方が良いのではないかと思いました。

そして、そろそろ雪組トップのハッピーエンド公演が見たい・・・。
Once upon a time in America もどうせハッピーエンドじゃないんでしょう??

雪組トップ二人がハッピーエンドな公演を、劇団さん、ぜひお願いします。