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落ち着いてみれたお芝居と歌:宝塚歌劇 花組『MESSIAH メサイア』感想 [宝塚感想 花組]

今日、花組観てきましたー!
休暇を取って一人で観劇。初・花組観劇でした。


メサイア、よかったです。

作・演出は原田諒さん。ヅカファンブログを見ると、あまりヅカファン受けのよくない演出家さん。
私は、スカステで見た『ニジンスキー』が好きなので、心密かに応援していた演出家さんでした。
でも宙組『白夜の誓い』と星組『ベルリン我が愛』は期待した程ではなく・・・。

しかし今回、やっと、私の期待に応えてくれた作品でした。(←上から目線かっ。)

荒くれ者の海賊が大人しく村に馴染んで四郎という名前を気に入っちゃうところには「馴染むの早っ!」と突っ込み。
また、主人公四郎が「生きることを考えよう!」といいながら、最後人々を逃がして生かす方策を取ろうとしなかったとこ(提案したところで村人達は拒否しただろうけど)とかもプチ突っ込み。
逆に、それ以外は突っ込み所もなく、登場人物の無理な心変わり(※下記参照)もなく、緩急のあるストーリー展開で一時間半飽きずに観れました。

(※宙組『白夜の誓い』にて、緒月演じるアンカーストレムが親友なのに最後裏切るという設定が気に入らず、根に持っています。緒月さんなら、始めから悪役側でも、その人なりの正義感を持つ人物をしっかり演じてくれただろうに。緒月遠麻さんと凰稀かなめさんが退団するためか、無理な親友設定にしちゃってさ・・・。)

私的なクライマックスシーンは、明日海りおさん演じる天草四郎が、村人に蜂起を呼び掛けるシーン。
柚香光さん演じるレイの代わりに踏み絵を踏む踏みっぷり、男前〜~!
その後、「神なんていない!」「神がいるならなぜ助けてくれない!」「神はなぜ今地獄のような苦しみを与えるんだ!」と怒りを表す四郎。
それに対し「そう信じないと生きていけないんだ!!」と答える、一樹千尋さん演じる益田甚兵衛。
(セリフはイメージ。記憶違いあると思います。)
それぞれの葛藤。そうだよね・・・。永遠の命題・・・。
熱い演技でグッときました。

そして、四郎は、神を信じないが故、神を信じて虐げられてる村人のために蜂起したんだ・・・と解釈。
前半の海賊設定が活きる納得の展開。

絵を描く事に対し純粋で、不器用ながらも皆を思い、結果的に裏切り者となったレイの心情も、最初と最後のシーンまでしっかり繋がりました。

仙名彩世さん演じるルウは、やわらかい歌声が純朴な村娘にマッチしててよかった。しっくりきました。

あと、悪役もよかった。
鳳月杏さん演じる松倉勝家は、最後までぶれることのない徹底した悪役。
最初に登場するシーンの音楽&効果音が、正しく「ザ・悪役!」という感じでピッタリ!
悪役サイコーーー!!

先週観た星組『Thunderbolt Fantasy』やその前の『Another World』は、とにかくセリフが盛沢山であわただしい印象の公演に対し、今回のメサイアはしっかり芝居の間をとった公演だったと思います。
じっくり芝居の世界に入り込んでみることができました。

悲しい結末だけど、いいものみたな〜思う公演でした。