日本青年館『ブエノスアイレスの風』感想

先週末、宝塚歌劇月組の暁千星さん主演『ブエノスアイレスの風』、日本青年館での公演を観てきました！！！！
チケットとご縁ができて有り難い限りです。

演出家の正塚氏の作品、予想通り、渋めの作品でした。正直、私の好みとはちょっと違う公演でしたが、暁さんのスーツ姿を愛でに行ってきました。愛でてきましたよ〜〜♡
暁さんのスーツ姿と踊る姿と、あと歌声と、素敵でした。やっぱりポスターよりも生の方が魅力的。相手役の天紫珠季さんとペアでやたらと踊りまくるところもよかったです。いいわ〜〜。

今私は暁さん絶賛ご贔屓中でして、暁さんへの感想は「ステキ♡」ばかりになってしまうので、それ以外の感想を。

そもそも、今回のブエノスアイレスみたいな渋い男役は、はまる演者さんが限られていると思います。男性でも難しそうなのに、声に女性感が残る宝塚で男役でこういうお役がはまって踊れる方は、すごく限られているのではないかと。初演の紫吹淳さんとか再演の柚希礼音さんとかはどうだったのかしら・・・観ていないので不明です。

そして、辛口感想で難をあげるなら・・・お芝居かな。
暁さんビジュアルはステキだけれど、悩める渋い男には、私には見えませんでした。もちろん暁さんかっこよかったですよ！！（←念押し）
ただ、過激派ゲリラのリーダーというよりは、半闇堕ちのプリンスな感じが・・・。過激派にいても、リーダーよりは知的な参謀タイプ、戦隊ヒーローものに例えるとレッドよりはブルー、って感じに思えました。（←もちろん一個人の感想で、捉え方や好みはいろいろあると思います。）

特に一幕、ニコラスは虚無なのか熱い闘志がまだ残っているのか、人を信じているのか疑い深いのか、踊ることに喜びを感じているのか、イザベラに恋愛感情を抱いているのかどうか、いまちニコラスの心情を捉えきれませんでした。悪口にすると、クールぶってかっこつけてて心情が見えないキャラ、って感じてしまいました。たぶん、一つ一つのセリフの言い方と、セリフがでるまでの間が、私の思うところと違うからだと思います。セリフや間の裏にはどいうった感情が含まれているのかを察することができるかどうかの受け手側の問題、暁さんの演技力の問題ではない・・・・・はず。(←贔屓の引き倒し）

私は暁さんの全身を見るためにオペラグラスをほぼ外して遠くから見てたので、表情まではあまり見えなかったってのもあると思います。広い会場で役者の心情を伝えたいなら、歌とかセリフとか音楽とかで表現してもらわないと、遠くの席では捉えられません。そういう意味で、正塚氏の演目は小劇場向きなんだと思いました。

そんなんで、一幕は主役ニコラスに違和感を感じてみていました。が、二幕になるとニコラスが熱く動き始めたので、二幕からは言動にしっくりきました。つまり、一幕のクールな暁さんより、二幕の熱い暁さんの方が私好みってことですね。二幕の暁さんの方がかっこいいかっこいい。

ストーリーについては、若干ネタバレしつつコメントを。

一幕で不穏な空気があったので、主人公ニコラスは最後旧友リカルドを庇って死ぬパターンか？？と思ってたらそんなことはありませんでした。（予想が外れた。）
また、警察のビセントが強い先入観でニコラスを追い詰めてしまうのか？と思ったら、それなりに話を聞くことができるやつでした。（モラハラ感があって結婚後の生活が気になるが。）
で、ダンスパートナーとイザベラと恋人同士になるのか？と思ったらビミョーな関係のまま終了。（えっ？くっつかないの？？）。
そして何より、主人公のこの先の生きる目標とか希望とかがいまいち掴みきれずにエンド。私的には、踊る喜びをみつけるとか、人を信じる気持ちを取り戻すとか、小さなことから一歩づつ始めようとか、そういったものを含んだラストがよかったです。だってタカラヅカだし。小さくても夢をみさせてよ～～～素がかわいい暁さんが渋い男を演じている時点で非現実的な夢の世界なんだから。現実を見つめすぎずプチでもいいからハッピーエンドが希望でした。そういう点で、ストーリーに不満はありました。

でもでも、暁さんが持ち味とは異なる渋い男を演じるのもそれはそれで面白かったです。いつもワンパターンなお役だと面白くないし。なんといってもスーツ姿がステキだし。そんなお役の暁さんを遠くでからも生で見れて、ほんとによかったです。ただひたすら、スーツ姿と踊る姿を堪能しました。

まとめ。
結局、暁さんが渋いお役でスーツで踊ってかっこいい♡、という感想でした。

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